『GKのポジション』
サッカーという競技の中で、GKは非常に特別な存在であることはご存知の通り。しかし、GK経験者ってなかなか少数派。いざコーチングするとなると、教則本を買って来ての手探り状態が現実です。コーチの数も限られているし、GKの特別練習なんてやる時間が取れないのが現状。でも、試合ともなると責任重大です。一つのファインプレーでヒーローになったり、ちょっとしたミスがすぐそのまま失点につながり、負けを一手に引き受ける羽目になったり、とにかく大変な役割です。
しかし、専用の練習時間が取れない、4種では割に合わないポジションです。
でも、ほんの少しエッセンスをご紹介します。シュートする相手に対して、ゴールを背にしてその左右方向で中央に自分がくるように位置取りをすることは、巷の教則本に書かれています。でも、実はほんの少し技を聞かせるポジション取りがあり、実際プロの試合などを見ていると気付くと思います。
■その1
ニア寄りに守り、シュートはニアを割らさないこと。自分がゴールに対して斜めの位置からシュートを打つ事を考えて見ましょう。GKの左右均等に同じ幅のスペースがある。でも、ニアとファーのゴールまでの距離は全然違います。さてどちらがシュートして入りやすいでしょう? 明白ですね。距離が近い方が狙ったところに行きます。遠ければ遠いほど外れやすくなります。ファーを狙ったけどカーブして外れる。よくある光景です。それに上下のシュート角度はいかがでしょう? ニアの方が上に打っても入りやすく、ファーは上に打ちすぎるとバーを簡単に越えてしまいます。また、ファーは腰の捻りを要求され、走って流れている時は余計ファーには蹴りにくいものです。そんな状況の時にニアが空いてたら。シュートする側からは持ってのこいのスペースが空いていることになります。仮に、ファーにいいシュートを打たれても、上手くすると味方DFがクリアしてくれるかもしれません。GKはニア寄りに守る。これはGKポジションニング原則の一つです。
■その2
その1では横方向のポジションを書きましたが、その2では縦方向のポジションについてです。よくかなり高い位置でポジションを取り、敵の前線へのフィードボールをうまくクリアしているGKがいます。
なかなか格好いいです。でも、高い位置のスタイルだけ真似してもサッカーの原則と自分のチームの特性を理解してなければ非常に危険な選択になる場合があることも理解しておく必要があります。サッカーの原則にワンキックの距離というのがあるというのは以前書きました。ワンキック、すなわち、この場合はロングシュートを打たれた時、はたして走って戻れる距離なのか? これは選手によって異なります。感が鋭く走力のあるGKならそれだけ前に出られますが、ないGKなら出すぎは禁物です。自分の頭を越すようなロングシュートを打たれた場合にでも戻って間に合う位置取り。これを意識しておきましょう。その昔は、ボールが遠くにある時はゴールよりに守れ、といわれたものです。でも、中盤で味方の寄せが早く、相手にロングシュートなんぞ打たせないような良さを持ってるチームなら話は別です。そういう素晴らしい中盤を持っていれば、高い位置取りは有効でしょう。逆に、中盤で相手をフリーにさせるような場面が多いチームなら、危険ですね。その時の状況をよく見て判断させないといけません。
|